本作品は登場人物、物語、全てフィクションです。
サイバーコネクト2、バンダイとは関係はありません。

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初作品です。
まぁどうだろう?

編集版




本館「NP-Act」設置です


内容の一部が突然変更されることもあるのでご了承下さい
DL版で読んだ方が確実だよw
 奏伽は何も持っていない…?
 しかし、奏伽は武器の名を呟いた。
 あの黒衣の事だろうか?
 だが黒衣はボロボロ。とても対ウィング武器と思えないような、一般的なものだ。
「『奏宴鳥(そうえんちょう)の翼』よ、わたしと契約を…」
 その瞬間、黒衣が奏伽の右手を包み、筒状の物体を構成し始めた。
 やはり、黒衣が武器なのかと思わせた刹那、奏伽の体に黒衣は戻り、右手には筒を持っていた。つまり関係ないということだ。黒衣はあくまで武器を仕舞っておく収納にしか過ぎないのだ。
 その証拠として、奏伽は筒を舐め、契約を交わした事、何処を見ても何の石も見えない事がある。
 恐らく、あの黒衣は何かの石を原料にしているはずだ。
「契約完了。処理開始」
 筒から縄状の物が飛び出す。何処までも長く、空中、それも高くにいるというのに、地面まで届いてしまっている。
 無言で筒を振ると、自在に動かしているかのように縄がアステルへ向かう。
「へっ!殺人帰ってのも大した事ないのかもなぁ!こんな攻撃当たるかよ!」
 アステルはひらりと攻撃をかわし、校庭へ降りる。
「奏宴鳥は一羽で行動する事は無い。
群れで行動し、一羽が囮となって、一匹の大型な餌を狙う。翼界に居る動物。
貴方も民氣ならば、それぐらい知っておいて当然。
『奏宴鳥(そうえんちょう)の翼』は翼界に居る奏宴鳥をモチーフに作られた対ウィング武器。
つまり、この武器の本領はこれから。私が放った最初の攻撃は囮にしか過ぎない。
気付かないの?

貴方はもう既に籠の中の鳥。否、貴方なら、網の中の魚って方が似合っているのかもね…。
食される為に、ただ生きていただけなのにね」

 地面から奏伽の持つ武器から伸びる縄が螺旋状に幾本も飛び出す。それはドーム状に重なり合い、浮かび上がると球体に変った。土を落とす為だけに、一度だけ一部が開き、閉じる。閉じた後は、球体がどんどん縮んでいく。そして…。
 意識を凝らして見ていた信二は驚愕した。
「な…なんだよあれ…、中に…中にアステルが入ってるんじゃないのかよ…」
 球体はピンポン球程度の大きさになっていた。
「質量を変えずに体積だけを変えた。それだけよ」
 血を閉じ込める、ウィーバ暴走時の《現》よりも惨い。
「待ってて。今助ける」
 奏伽はふわりと、堕天使の様に黒衣を靡かせながら舞い降りる。恐怖さえ感じた。しかし、救いの手である事は間違いない。

「俺が居るのを忘れるなぁ!!!!!」
 アルスが拳を振り下ろしながら奏伽へ襲い掛かる。
 しかし、瞬きする間も無く、アルスの頭は奏宴鳥の餌食となっていた。
 アルスが消滅した頃、信二の傷が癒え、同時に良子が行っていたウィーバの手当ても完了した。
 戦闘力、手当ての早さも異常だった。信二を治した後すぐに、屋上へと飛び上がり、ヴォルの治療を開始。三十秒経たない間に完了していた。
「…おかしい」
 ウィーバが信二の横で呟く。
「私も同感です。殺人帰というのはもう少し凶暴で、心の無い者だと教わりました。
顔が幼い割りに、彼女は現在一番長くウィングバスターをしている長寿者であり、その経験により、人の心を失い、民氣、ウィングを残酷な方法で殺め、任務達成の為に宝珠すらも殺めるような方の筈…」
良子もそう言うが、信二には信じられなかった。
否、彼女がそうあってほしくないのが事実でもある。
戦闘が始まった瞬間、アルスは信二を殺しに向かうが、信二はそんな一瞬でやられるほど甘くは無かった。
体当たりをして、一発で砕いてしまおうという考えが、作戦不足という結果を招いたのである。
体当たりは当たる方向へ向かっていた。信二に逃げる暇など無かった。そして、信二の形をしたものに見事的中。だが、それはあくまで人形であり、プラスチックで出来た信二の形をしたものをバラバラに砕いただけなのであった。
そこから、何の進展も無く、ただ、相手の様子を見合う状態が続いていた。
その間、ウィーバも勿論戦闘を行っていた。しかし、圧倒的に不利な状況。戦闘経験が違かった。相手は、戦闘を楽しむ事が出来るほど勝ち進んできた者。もしかしたら、負けを知らないような相手なのかもしれない。
ウィングのアルスも第三形態を維持し続けた感じであった。
 強い相手は押し切るしかない。黙っていても殺されるだけ。
 正面突破。翼破を確り握り、気圧の爆発によって飛び、突っ込んでいった。
――刹那
「フフフ…ハッハッハッハッハ!
 楽しいか?楽しいだろう?俺は楽しい…。これが…これが翼破の血か!肉体か!
 柔らかい!柔らかい柔らかい柔らかい柔らかい柔らか過ぎる!箸で突いても血が溢れ出しそうだ…。
 ただ単純に殺すなんぞツマラナイ…。
 いたぶり、苦しめ、火炙りより苦しみを貴様に与えてやる!」
 正に瞬間芸。
何が起こったのか解らない。
残り一メートルという距離だったはず。しかし、アステルは地上に立って、血を眺めて高笑いしている。
「解らんか?何が起こったのか…。
 自分の体を見てみろ」
 敵の言う通りにするのは、ポリシーに反するが、下を見てみる。
 心臓からは大きく逸れていたのが幸いだった。
左胸にぽっかりと穴が開いている。
「い、や、ゴフッ…」
ダバダバと血が流れ、吐血し、意識を失う。叫ぶ事すら出来ない。
そのまま爆発で消えていない勢いに任せ、放物線を血で画きながら落ちて行く。
信二を任された筈の良子は、逸早くその状況に気付き、信二を忘れ、無視し、ウィーバの救出へ回った。元々、良子は《治癒》に重点を置いた手流石の使い手でもある。
 しかし、状況は最悪過ぎた。
 信二はプラスチックの人形を使って、大量の分身を作り、その状態から挟み撃ちをしようとした。プラスチックを動かす程度、呪術を使えば容易い。
 滑らかな動きで、総攻撃を仕掛ける。数百は…否、千数百だろう。
 アルスが見えなくなった。これならば、身動きは取れまいと考えていた。そして、プラスチックの人形を掻き分け、本体がアルス目掛けて、零距離で火炎放射を浴びせる。
 大抵の民氣やウィングでは、致命打になる筈だった。
「ぐらぁああああああああああ」
 
 信じられなかった。

 火を跳ね返し、周囲の人形と共に信二を焼き払ったのだ。
幸い、防御壁を張っていた為、即死ではないが、致命打を喰らったのが信二の方になってしまった。
「あ…つい、熱いよ…ウィ…」
 ウィーバに目を向けた瞬間、今の状況に気付いた。
 瞳孔を開ききり、目からは涙を流し、口を小さく、力なく開け、血を流していた。
 どうしてこうなっているのかまでは良子に隠れ解らなかった。
 ただ、理解した。
(あぁ…負けたのか…)
 
「俺が居るのを忘れられちゃ困る」
 屋上から降り注ぐ矢、アルスは全てを吹き飛ばし、アステルは全て軽やかに避けた。
「フン。優しい挨拶だな」
 アステルは鼻で笑う。
「コレが挨拶に見えるのか?コレはあくまで自販機に百円玉を入れるぐらいの何でも無い事だ」
 ヴォルはバッチリ仕返しをしてやった。
 心強い。
 弱っていてもそう感じた。
 しかし、
「準備運動も軽すぎてな…退屈してたんだ。お前は楽しませてくれるか?」
 どうやって斬ったのか全く解らなかった。地上に居た筈。しかし、今は屋上で、ヴォルの脇腹を切っている。深々と、最早立ち上がることすら出来ないまで。一発で。
「終わりなのか?つまらない…。朝食を食う時間よりも短いぞ?」
「ば、馬鹿な…」
 ヴォルはその場へ倒れ込む。良太はしばらく前から腰を抜かして木陰で震えていた。
 良子が出ざるを得ない状況。しかし、目を離す訳にはいかなかった。自分までやられてしまえば、誰が彼らを救うというのだろうか…。

「どいつもこいつも…。こんな奴に苦戦するとは…。情け無い…」
 信二は朦朧とする意識の中…たった一人、真っ黒なコートを身に纏う少女を見た。顔を見れば誰だかすぐに解る。
「奏…伽…?」
「篠原君を…、信二君をこんな風にするなんて…。許しません。謝っても手遅れですよ。
 待ってて、今助けるから」
 今は本当に死んでしまいそうで、もう頼れる頼れないの判断は出来なくなっていた。今、命が保てるのも最早、青流石のお陰でもあるのだ。
 奏伽の黒衣が揺れる。
「私の『奏宴鳥(そうえんちょう)の翼』がお前の血を欲している」
 奏伽が現れた瞬間、アステルの口元が綻ぶ
「お前なら楽しめる…。殺人帰が来てるとは…この街はどうなってやがるんだ。俺は嬉しいがな!」